おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

私はおうちさんが嫌いでした3

続きです。

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初対面で印象がよろしくなかったおうちさんは、居住してみたらまたまた問題続出でした。

リビングと隣の部屋の境目が微妙に盛り上がっていたり、玄関のドアの横の木枠とクロスのあいだに隙間があったりで、なにかの業者さんがこれらたとき、その隙間を見て、
「こちらはあまり建てつけがよくありませんね」
と言われて大ショックだったり。

ベランダにエアコンの室外機を置くと非常ハッチの端がぶつかってしまうので、横幅がタイトな三菱霧ヶ峰しか設置できなかったり、下の階のかたはかまわず設置してるので梯子が室外機にぶつかって最後までおろせなかったり。

排気口を常時開け放しておいたら、お高いカーテンが煤で黒く汚れてしまったり。

そのお高いカーテンを下げるレールが低予算レールのようで、カーテンの上部がしょっちゅう引っかかってストレスがたまる上に、天井が無駄にバカ高くてローテーブルに椅子を乗せても手が届かないとか。

備えつけの照明が蛍光灯を4本並べた上にプラスチックの四角いカバーをはめ込むタイプで、これも手が届かなくて、爪先立ちで必死に作業しても外れない&ハマらないでぐったりだったり。

キッチンの流しからドブ水のような匂いが漂ってきて弱っていたら、排水溝の立ち入り清掃の際、キッチンの排水管と床の繋ぎ目が盛大にズレていて思い切り穴が開いているのが判明して、ビニールテープでぐるぐる巻きにしたり。

なぜか雨のあとお風呂場の排水口から雑巾臭がしたり。

常に乾燥していて、特に冬場はカラカラでドライアイがひどかったり。

残念ポイントだらけです。
建具や排水溝の不具合は本来なら内覧日にしっかりチェックして、修繕してもらうべきでした。
エアコンの室外機も、マンション側でオプションで最初からついていたのに、非常ハッチが開かないなんてクレームものです。
けれど内覧日はオレンジまみれの部屋をどうするかで混乱していて、不具合をチェックする余裕なんてなかったのです。
それにそんな不具合がある物件が売られているはずがないという世間知らずな思い込みもありました。
販売会社はまだ若い会社でしたが、施工会社は名の知れた老舗で、父が「この会社が作るなら大丈夫だろう」と言ったのを、そのまま信じていたのです。
今思えば住みはじめてからでも、不具合を申告すれば対応していただけたはずです。
なぜそうしなかったのかといえば、先方に対応義務があるという考えに至らなかったからです。
賃貸と違って自分の持ち家なのだから、すべての不具合は自分で受け止めるしかないと自然に思っていたのです。

マンションを購入するということにも、自分の家を管理してゆくということにも、あまりに無知すぎました。
こんなにものを知らないまま、マンションなど買うべきではなかったのです。
せめて父に相談していればなんとかしてもらえたかもしれません。けど、せっかく父が買ってくれたマンションの不満を口にするのは申し訳なく感じて言えませんでした。

心配していた騒音についても、
「大丈夫ですよ」
と販売員さんが断言していて、実際隣の部屋に対する防音状態は大変優秀でした。
上の音もほぼ聞こえません。
それでも物を落としたり乱暴に引き戸を閉めたりする音は聞こえてきます。
外廊下で誰かがおしゃべりしていると、その声もかなり鮮明に聞こえます。
アパートと比べれば、しっかり防音されているでしょう。
けれど私が望んでいたのは防音室並みの完全な無音で、そうではなかったことに心底がっかりしたし絶望しました。
もう静かな場所なんてどこにもないんだと思ったら、心細くて悲しくてたまりませんでした。

この家は嫌だ。
でも30年は住まないと。

当時20代半ばだったので、30年住んで50半ばくらいで住み替えようと心に決めたのでした。

あと30年も住まなきゃいけないんだ。

30年はあまりにも長すぎて、考えるたびに苦しくなりました。

もう少し続きます。