3度目のお値下げと100点満点の回答
日凪子です。
夏に6000万だった最上階南向きのお部屋さんは、秋に5900万になり年明けに5800万に。そして春の初めのこの日、いっきに5680万円までお値下げしたのでした。
夏に初めて内見したときから言い続けてきました。
「せめてあと300万お安かったら」
と。
それは同じ間取りの下の階が5680万で売却されていたからです。
もちろん階が上がるごとにお値段も上がるのは知っています。でも最上階を望んでいなかった私には下の階のほうが住みやすそうに感じていたし、そもそも新築時のお値段も5200万ほどなのです。
都内の物件が高騰していることも身に染みていますが、築6年で差額800万はちょっと嫌です。
それがここにきて5700万ではなく5680万まで下げてくるとは。
売主さんの本気を感じました。
これは今度こそ間違いなく売れてしまうでしょう。
夏には絶対にお値下げしないと思っていたあの物件が。
お値段が100万ずつ下がるたびに、心が激しく揺らぎながら、ここはダメ! 絶対ダメ! と自分に言い聞かせて続けてきたあの物件が。
早く売れてしまってほしい、検索に出ないようになってほしいと願い続けてきたあのお部屋さんが!
ついに私の希望額まで下がってしまいました。
頭がカァァァァッと熱くなって心臓がドキドキしました。
困りました。
本当に困りました。
もう値段を理由にできません。
けど夏からずっと、たくさんの“買わない理由”を探し続けてきて、ここはダメだと今も理性は警告しています。
2025年から管理費と修繕費が4万だよ! この先、もっと上がるよ! ライフプランの住居費4万円は確実に超えてくるから!
そもそも小規模マンションはダメだって今のおうちさんでわかっているでしょう! 役員が死ぬほど回ってくるよ!
エントランス狭いし、ゴミ置き場が雑然としてたし、騒音注意の貼紙があったし、住宅が密集してるし!
間取りも変だし家具が配置しづらそうだし、リフォーム代も絶対かさむから!
最上階南向きで、夏に灼熱地獄になったらどうするの? 光熱費爆上げだよ!
この小さなおうちさんは、私を一生守ってくれる力強い伴侶にはきっとならないでしょう。
選ぶべきは戸数多めで修繕費と管理費がほど良いマンションです。
そう、土曜日に内見を予定している立体道路沿いのあのマンションのような。
あと300万下がってほしいという希望は叶ったものの、情けないことにどうしていいのか本当にわからなくて、Uさんにこうお返事しました。
「希望の価格まで下がって正直混乱しています。このマンションはリスクが多い気がして心配なのです。Uさんは同じ駅で売り出し中の××とこちらのマンションと、どちらかが良いと思われますか?」
5700万とほぼ同じお値段で、築年数は若く、戸数もこちらより多く、間取りも使いやすそうなあの物件を選ぶのが理性的な選択ではないか。
そんな迷いがありました。
Uさんのお答えは、こうでした。
「個人的なお話になるのですが、××と××でしたら××(立体道路沿い)を買うかなと思います。理由は単純に使いやすい間取りだからです。また南東、北西に開口部が向いているので日当たりや風通しも問題ないからです」
「ですが私が日凪子さんと同じ立場なら、希望額まで下がった××に縁を感じて××を選ぶかもしれないです」
気持ちがふんわりやわらいで、頭がすっきりと晴れてゆくのを感じました。
ああ、そうだな、その通りだな。
こんなにずっと気になっていて思い切れなかったお部屋さんが、私が希望していた値段まで下がったのは、きっと縁があったからなんだな。
自然にそう思えました。
Uさんの回答は満点、いえ、それ以上でした。
すっきりした気持ちのまま、返信しました。
「ありがとうございます。こちらの物件の購入を希望します。どうぞよろしくお願いします」