おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

桜並木が広がる人気のマンションを内見しなかったのは

こんにちは、日凪子です。

2022年春にスタートしたマンション探しは、進展のないまま冬を迎えていました。
おつきあいのある不動産屋さんから定期的におすすめの物件が送られてきますが、どれもピンときません。
おすすめメールを送られた経験のあるかたはおわかりいただけると思うのですが、希望の条件と全然違う〜! という物件がしれっと送られてきますよね。
あんまり的外れな物件ばかりだと、この担当さんは信用できないと思ってしまいます。

そんな中で、担当Uさんが送ってこられる物件はそこそこ良さげなものでした。

Uさんは「××シリーズなんて買わないほうがいい」と断言したあの辛口上司さんのいる不動産屋さんにお勤めの若いお嬢さんです。
この日内見予定だった物件は、上司のかたの「あんな造りの安い部屋にこの価格を出す価値はありません」のお言葉で遠慮させていただいたのですが、その後おすすめ物件をメールで送ってくれるようになりました。

現居の隣の駅徒歩6分の物件は、築12年、8階南向き、2LDk60㎠、お値段6000万。名の通ったブランドマンションです。バルコニーの前は公園で開けていて桜並木が見渡せる、区内でも人気の立地でした。
部屋数も多く、外観も立派です。私の第一希望の駅までも10分くらいです。

さらにもう一軒。こちらも隣の駅と私の第一希望の駅の中間くらいで、それぞれ10分前後歩きますが地元有数の便利で住みやすい場所です。近くに商店街があって川沿いに桜の木が植えられて春にはそれは綺麗な花を咲かせる区の名所です。地元民なら憧れる立地でしょう。2LDK60㎠、南向き6階、築3年、戸数も多いです。出入り口の前の敷地が大きくとられていてゆとりがあり、南からの陽射しを浴びて健やかに輝いています。お値段6000万。

どちらも私の予算ギリギリですが、このクラスのマンションであれば納得のお値段です。共用設備も充実していて戸数も多く、管理もしっかりしていることでしょう。
どちらのマンションも、ここに住んだらきっと安心して生活できるだろうと思えます。
まさにマンションが守ってくれそうな頼もしさを感じます。

お買い得というのはこういう物件のことなのだろうな、と思いました。

なのに私が内見さえしなかったのは、どちらのマンションもファミリー向けでお子さんが多そうだったからです。
公園の前なのはお子さんが集まってくる不安があります。
川沿いのマンションは、地元民なので水害の心配はまずないと信頼していましたが、地元民ゆえにその付近はよく蚊柱が立っているのも知っていました。
また桜の季節に見物人だらけになることも知っています。

どちらの物件も地元民だからこそ、細かな点が目についてしまいます。
でもそれ以上に、立派で安全な戸数多めのマンションで安らかに暮らす自分が想像できなかったのです。

戸数の少ないマンションは役員もすぐに回ってくるし管理費と修繕費の負担も大きめで、良いことがありません。
できれば100戸以上。多ければ多いほど良し。
ずっとそう思っていました。今もそう思います。

でも……。

私はファミリー向けの大規模マンションよりも、単身者が多そうでエレベーターの待ち時間が少なくて、自分の部屋からマンションの外へすぐ出てゆける小規模マンションのほうが好きなのかもしれない。

そんな風に思いはじめていました。