おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

罠だらけのファンドラップ

こんにちは、日凪子です。

hinakonoouti.hatenablog.com

NISAと並行して私が手を出してしまった、さらに危険な商品、それはファンドラップです。
銘柄も運用もプロに丸ごとお任せという、投資素人の私には最適なプランに思えました。

「今始めたら、どんどん上がりますよ! 始めるなら今です!」

D証券窓口での勧誘に、そっかぁ、今が始めどきかぁ。プロの証券マンがこれだけはっきり断言しているんだから間違いないよね〜、とその場で申し込んでしまった私です。

どうしてこう浅はかなんでしょう。

このとき預けた金額は1000万でした。
すぐに1070万まで上昇し、うわぁ、やっぱり始めどきだったんだ〜と、浮かれたものです。
その後2年ほど、総金額は1070万円前後をうろうろしていました。
今考えると利益がまったく積み上がってないのですが、70万円得してる、という意識のほうが優っていて気にしていませんでした。
それどころか、
「これって2000万預けたら140万の利益が出てたんだなぁ、3000万なら210万円かぁ」
と、買い増しを考えるように。

本当にバカで救いようがありません。

そんな私に担当証券マンがささやきます。
「日凪子さんのプランは、とても安全で良質です。金額を増やされても良い頃合いです」

私とそう年齢の変わらない恰幅のいい人の良さげな眼鏡の担当証券マンは、私が窓口を訪れるたび、お土産のチョコレートを用意してくれて、
「日凪子さんはチョコレートがお好きとうかがっていたので、つい買ってしまいました」
と、誠実そうな笑顔で差し出します。
そうして親しく言葉を交わすようになっていったのです。

「私も、もうちょっと増やしてもいいかなと思っていました」

へろへろ答える私に、担当証券マンが声をひそめて言いました。このとき細めた目が邪悪に光ったように感じたのは、のちのちのことです。

「では、7000万でいかがでしょう」

ななせん、まん!?

まさかそんな金額を勧められると思わなかったので、さすがに体が冷えました。
7000万といったら、当時私が所持していた金融資産のほぼ半分です。

「それは、多すぎでは」
「いえいえ、安全な商品なのでこのくらいなら大丈夫です」

プロの証券マンが言うならそうなのかなぁ……と流されてしまった私は、もう間抜けすぎてどうしようもありません。
7000万で新たに運用をはじめた直後から、株価が下がりはじめ、私の運用資産はマイナスになってしまいました。
投資信託で元金を半額にしてしまった悪夢がよみがえります。
あのときは300万が150万になったけれど、今度は7000万です。
桁が違います。
しかも私は無職で、この先仕事で資産が増えることはありません。
運用資金=今後40年、50年の生活費なのです。
それが半額になってしまったら!

さらに、ここに至って気づいたことがありました。

ファンドラップの手数料! 高すぎですっっ!

そんなの最初に気づけ! と自分の頭をぽかりと殴りたくなりますが、1000万で運用していたときは常時70万のプラスがあったので、あまり気にしていなかったのです。
7000万分の手数料は2度見するほど高額で、それがなんと3ヶ月に1回! 1年で4回も! 引き落とされてゆきます。
こんなに手数料が引かれては、多少の運用益では追いつきません。

元金はじわじわ減ってゆくのに、証券会社には定期的に高額の手数料が入るだなんて、なんて証券会社にとって美味しい商品でしょう。
そして、無職、無収入の私の資産がどれだけ減っても、担当証券マンの月給はつつがなく振り込まれてゆくのです。

チョコレートに騙された〜!

その後、株価がどうにか上昇し、ちまちま利益が出はじめたタイミングでコロナ禍が訪れました。
慌てて全額売り払い、7000万の運用で最終的に私が得た利益は200万ほどです。
これを失敗と見るか成功と見るか……。
7000万が半額の3500万になったらどうしようと、胃が破れそうな日々を重ねたことを考えると、個人的にはもうファンドラップには絶対手を出さないと思ってしまうのでした。

最後に、利益を確定させた際も、がっっっっつり経費を差っ引かれたことをここに記しておきます。