おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

禁断のNISA

こんにちは、日凪子です。

投資信託を元金の半分に減らした失敗から投資を避けていた私は、銀行の高額利子キャンペーン→個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンと、ちまちま資産運用を続けていました。

けれど国債のキャッシュバックもどんどん減額してゆき、ついに禁断の株式運用に手を出してしまったのです。

そう、私のような直感任せの素人には危険すぎる世界です。
なぜそんな禁断の世界に再び足を踏み入れたのかというと、きっかけは個人向け国際をD証券で購入していたことでした。
窓口で売り買いしていたので、当然あれこれ営業されます。
話を聞いているうちに、もう一度チャレンジしてみようかなという気持ちがわいてきました。

よくわからないけれどNISAはお得だというし。

よくわからないけれど年間120万くらいだし。

よくわからないけれど窓口で買えば、プロの証券会社の人に確実な銘柄を選んでもらえるだろうし。

よくわからないけれど、まぁ、やってみよう。

わからないまま始めるんじゃない! と言いたいですが、私は数字に弱い上に説明書を読むのがめちゃめちゃ苦手なのです。高校時代数学のテストは常に0点でした。家電の説明書もぜんぜん頭に入ってこないし、脳に欠陥でもあるのではと真面目に思っていたほどです。だったらまぁ仕方がないかと。
数学ができなくても私立文系に進学すればいいし、取説が読めなくてもコールセンターに電話して教えてもらえばいいし。

そんなふうに、できないことをできないまま放っておく悪癖が染みついたまま40半ばを過ぎてしまった私が、株を運用してゆくのに一番最適な方法。
それは、信用できるプロに運用してもらう以外ありません。
なので証券会社の窓口で銘柄を選んでもらうのは上策だと、当時の私は思ったのでした。

初めてのNISAで私が選んだ銘柄は次の3つです。

富士フィルム
・サワイ製薬
・某介護ロボットの製造会社

この中で富士フィルムだけは、自分から指定しました。美容液が株主割引で購入できたからです。
担当してくれたのは若く爽やかなイケメンさんで、そんな相手に涼しげに微笑まれて、
「最後のひとつは、夢を買ってみませんか? この介護用ロボットの××なんてどうでしょう?」
と朗らかな口調で勧められ、

「はい〜、それでお願いします。素敵な銘柄を選んでくださってありがとうございます」

とニコニコしながら感謝の言葉まで述べた私は、ただのバカでした。
3つの銘柄の中で、最後まで順調に利益を出してくれたのは自分で指定した富士フィルムだけでした。

サワイ製薬、ずるずる下がります。

某介護ロボット、ぐんぐん下がります。

あまりの下がりっぷりに窓口で、
「私は堅実な銘柄にしてくださいとお願いしたのに。どうしてくれるんですか」
と訴えたところ、役つきのベテラン女性担当者に、
「ではナンピンをしてみましょう」
と謎の呪文を囁かれました。

株が下がったとき、あえて買い足して平均購入単価を下げることをナンピンというそうです。
ナンピンしたあと株価が上がればよいけれど、下がり続ければますます損失が大きくなるという禁断の呪文です。

これによってサワイ製薬は、どうにか持ち直しました。
けれど、某介護ロボットには一向に呪文がききません。

下がります、下がります、まだまだ下がります。

証券会社の窓口でプロの証券マンのオススメの銘柄を購入しても安全とはかぎらないのだなと、つくづく思いました。
購入したときにはあんなにわくわくした、
「夢を買ってみませんか?」
というイケメン証券マンの爽やかな笑顔も言葉も、うさんくさい詐欺師の手管に変わりはてて。

やっぱり株は魔物だと、頭を抱えたのです。