おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

夏の異臭事件、その驚きの顛末は?

こんにちは、日凪子です。

hinakonoouti.hatenablog.com

マンションで発生した異臭事件の続きです。
管理会社の貼り紙から1週間が経過しました。異臭はおさまっているものの、掲示板にはなんの報告もありません。
またいつもの、対応を引き延ばし、いつのまにかうやむや、のパターンかともやもやしていたとき。

外出のためエレベーターに乗ったとたん、強烈な異臭に包まれました。
まるでゴミ箱の中にいるようです。
さらにエレベーターの内側に、ダンボールが貼り巡らされています。
引っ越しで荷物がぶつかって傷がついたりしないようにするアレです。

下の階に降りてゆく途中、エレベーターの窓からなにやら作業をしている人たちの姿が見えました。
うちの2つ下の階です。

そのまま電車でお出かけしたものの、エレベーターに充満していた異臭と、作業着の人たちを思い出して心臓がバクバクしていました。
そしてもうひとつ、電撃のように脳裏に浮かんだ光景があります。
ここしばらくマンションの集合ポストに、新聞が大量にたまっていたのです。
あれは、×××号室。
うちの2つ下の部屋です!

ポストからあふれそうな新聞と、ベランダにただよう異臭、そして先ほどのエレベーターの異臭と作業着の人たちが瞬時に結びついて、背中がぞわっと粟立ちました。

その可能性を、考えなかったわけではありません。
けど異臭は毎日していたわけではなく、週に1度くらいでした。なのでそれはないだろうと思っていたのです。
ポストの新聞も、急な事情があって長期不在にしているのだろうと。

夕方帰宅すると、エレベーターのダンボールはなくなっていました。
匂いもしません。
けれど確認せずにはいられず、うちの2つ下の階でエレベーターを降り、その部屋に向かって歩いていったのです。
近づくほどに生ゴミのような匂いが鼻を刺激してきます。
もはや間違いありません。
室外機もカーテンも取り払われ、窓越しにうかがってみると、中は家具のひとつもない完全な空室です。

空室、なのですが。

恐ろしいものを見てしまいました。

このあと不快な表現があります、繊細なかたは速やかにお戻りください。

続きを読まれているかた、心の準備はよろしいですか?
私が目に映っていたもの。
それは、部屋の内側の窓ガラスにびっしりはりついたハエでした。
以前、私の部屋のベランダにも飛んできたあの大きなハエが、何匹も何匹も何匹も、窓に張りついているのです。
部屋の中を飛び回っているハエもいます。
室外機を置いてあった外廊下側の小さいベランダ(張り出した部分です)の排水溝の周りは大量のハエの死体で黒く埋めつくされていて、その周りを生きているハエが飛んでいるという地獄のような光景です。

ベランダに生ゴミを放置していたんじゃなかったんだ。

衝撃が強すぎて思考が停止したまま自分の部屋に戻りました。
翌日、営業時間になるのを待って、管理会社に電話をしました。
過去のあれこれから、こちらの管理会社の人とは極力関わらないと心に決めていた私ですが、電話せずにいられませんでした。

「最近貼り紙があった異臭の件ですが(※私が貼ったことは黙っていました)、×××号室のかたではありませんか?」

ズバリ尋ねると、管理会社の担当のかたは「ええ、まぁ、そうです」と言葉を濁しながらも、すぐに認めました。

その階のかたは奥さんと別居されて一人でお住まいで、窓を開けたまま亡くなられていたので、風の吹き具合によって異臭がする日としない日があったようです。
台風の夜と翌日の朝が一番強烈だったのも、そのせいなのでしょう。

2つ上の私の部屋のベランダがあれだけ匂っていたのですから、お隣や上下のかたのお部屋はもっと酷かったと思われます。
ポストの新聞もたまりまくっていました。
それでも、誰もなにも声をあげないまま1ヶ月近く放置されていたことになります。

私がエレベーターに貼り紙したことで、管理会社と管理組合がようやく機能して、消防署に連絡をして鍵を開けてもらい、惨状があきらかになりました。

勘違いから突っ走ったことや、上の階のかたを疑ったことは、大変恥ずかしく反省しています。
でも、私が貼り紙をしなかったら、どれだけ放置され続けていたかわかりません。
行動は誤りだったけれど、声をあげたのはきっと良かったのでしょう。

そして孤立死というのが、こんなに身近なものだということを強く実感しました。
一人暮らしの誰にでも起こりうることで、これからますます増えてゆくのだろうと。
無職でおひとりさまの私にも、当然そのリスクはあります。
できることなら施設ではなく、最後まで自分のおうちで過ごしたい。
自分の健康に自身が持てなくなったら見守りサービスに登録しよう……。切ない気持ちで、そんなことを考えたのでした。

あと1回、続きます。