おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

うっかりベランダから出られなくなって救助されたこと。

こんにちは、日凪子です。

本日は朝から秋晴れで、カーテンのお洗濯をしてしまいました。
そのあとホテルのアフタヌーンティーへ出かけ、優雅に過ごした帰りの電車の中で、思いがけない吉報がありました。
嬉しくて舞い上がっていたのでしょう。

すべては伏線でした。
このあと、とんでもないことになるのです。

気持ちがソワソワしたままおうちに辿り着き、私がまずしたことは帰宅途中に買い物したブロッコリーを茹でることでした。
換気扇をつけ、ブロッコリーを茹で終わり保存容器に入れて冷蔵庫へ。
次にしたのは、窓を磨くことです。
週一の窓磨きは、普段なら木曜日か金曜日にしています。
けれど今朝、西の部屋と寝室のカーテンをお洗濯して、明日は朝一でベランダ側のカーテンをお洗濯しようと考えたのでした。ならばその前に窓を磨いておかなければと、ベランダに出て外から窓をしめて、ピカピカに磨いていったのでした。
ベランダの掃除も一通り終えても、外はまだ明るいです。
このあとお風呂に入って、お洗濯をして……などと考えながら窓を開けようとしたら、開きません。

いつもベランダ側の窓をお掃除するときは、外側から窓をぴったりしめて磨いています。
いつもならすんなり開くはずの窓が、開かないのです。

理由はすぐにわかりました。

換気扇を回したままだったからです。

おうちさんには、いくつか排気口があります。
けれどおうちさんに住みはじめたばかりのころ、お高いカーテンを排気口から入り込んだ排気ガスで真っ黒にして以来、家中の排気口を閉じて生活していたのです。
それでまったく問題はありませんでした。
ただ、すべての排気口と窓を閉じた状態でキッチンの換気扇を回すと、風圧でドアや窓が異様に重たくなり、開けられなくなるという現象が起こりました。
これも、どこか一箇所でも窓を開ければ問題なかったので、あまり気にしていませんでした。
それにドアが開かないとき、私はいつもおうちさんの中にいたので、単純に換気扇を切ればよかったので。

ところが、今回はベランダ、つまりおうちさんの外にいる状態で、窓が開かなくなってしまいました。

しまった! やっちゃった〜!

なんという、うっかりでしょう。
そもそも普段なら、帰宅したら家中の窓を開けて空気を入れ替えるのに、今日は帰宅後買い物してきた食材の整理をはじめ、なぜかブロッコリーを茹ではじめたのです。
吉報にぽーっとしていて、色々すっぽ抜けていました。

ベランダ側から懸命に窓を開けようとしますが、開きません。
この状態で内側から開けるのは難しいことは知っています。まして外から開けるのはどう考えても無理で、絶望しかありません。

私は一人暮らしで、同居人はいません。

このままベランダにいても、誰かが見つけてくれることはないのです。

残る手段はひとつしかありません。
ベランダから身を乗り出し大声で叫びました。

「すみませーん! ベランダから出られなくなってしまいました〜〜〜〜〜! どなたか警察を呼んでください!」

2度、3度、4度、5度ほど叫んで、どこか下のお部屋のかたの声が返ってきました。

「何号室のかたですか?」

「×××号室です!」

そのかたが警察に連絡してくださり、今度はお隣の部屋から警察のかたの声がしました。
うちのマンションは、隣の部屋との仕切りが非常に分厚く、ベランダをつたって行き来はできません。
声もお互い叫ばなければ、よく聞こえません。
状況を説明し、警察のかたの質問に答えてゆきます。

「お名前をフルネームでお願いします」

「生年月日をお願いします」

「ご職業は?」

「ご家族のかたはお住まいではないのですか?」

「どなたか鍵を持っているかたは?」

もろもろ個人情報を大声で叫ぶことになったのでした。

「昭和××年、×月×日生まれです!」
だの、
「職業はありません! 無職です!」
「え、主婦ですか?」
「違います、無職です! 働いてませんっ! 独身です! 一人暮らしで、合鍵を持っている親は××(東北)です!」

ベランダの窓は風圧で開かないのですが、玄関は鍵がかかっているので、やっぱり開きません。
そうなるともう、消防署のかたにドアを壊してもらうか、鍵屋さんに頼むしかないとのこと。

「換気扇が止まれば、問題なく開けられるはずなんです。うちの部屋の電気を落とすことはできませんか?」
「ブレーカーがお部屋の中にしかないので、無理です」

ドアを壊されるよりは、鍵屋さんに開けてもらうほうがマシなので、結局鍵屋さんを手配してもらうことに。
それが夕方だからか、どこの鍵屋さんも予約でいっぱいらしく、なかなか来てくれる鍵屋さんが見つかりません。

てっきり警察の中に鍵を開けるスペシャリストがいるのだと思っていたのに、そうではないのですね。
いえ、スペシャリストはいても、こんな事件性のない、間抜けな現場には来てくれないのかもしれません。
警察のかたが一生懸命鍵屋さんを検索してくださり、ようやくお願いすることができました。

そこからまた30分くらい待って。
かれこれもう2時間以上、ベランダにいます。
外は真っ暗です。
帰宅したあとトイレに行っておいて良かったです。

そんな中、鍵屋さんが到着しました。
お隣のベランダから、鍵屋さんが叫びます。

「見積もりは4万8千円です! こちらでよろしいですか?」

うわぁ、ほぼ5万ではないですか。
痛い、
痛いです。
でも、仕方がありません。

「それでお願いします〜!」

泣く泣く叫び返しました。

たとえ鍵が開いても風圧で玄関ドアも開かないのでは? と心配しましたが、のぞき穴を壊して風を通して開けてくれたようです。
玄関が開放されたとたん、ベランダの窓も外側からすんなり開きました。

こうして間抜けな救助騒ぎは終わったのでした。
毎日お部屋をぴかぴかにお掃除していたので、見られて恥ずかしいものがなかったのだけが救いです。
鍵屋さんへの支払い代金は4万8千400円。
他に、お隣さんと、最初に警察を呼んでくださったお部屋の方へお礼もしなければなりません。
お菓子で良いでしょうか?
それも含めて6万くらいの出費です。

予定外の6万円は、やっぱり痛いです〜!

良いことがあったときこそ、気を引きしめて注意深く振る舞わなければならないという教訓代ですね。
明日朝一でご近所の美味しいお店に、お菓子を買いに行ってきます。