おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

内見その6〜真夜中のピンポンラッシュ

日凪子です。

不動産屋さんが語った気になる話、続きです。

hinakonoouti.hatenablog.com

それはひとつ下の9階の住人さんについてでした。
9階といえばひと月前に5680万円で売りに出ていて売約済みとなっていたお部屋さんです。
最上階のお部屋さんより320万もお安く、もう少し早く知っていれば私が購入したのにと悔やんだ、あのお部屋さんです。

「実は、こちらは小さいお子さんとご夫婦の3人でお住まいだったのですが、下のお部屋からたびたび騒音のクレームが入って大変だったそうです」

小さいお子さんが上階にいれば、確かにパタパタドタドタ音がするでしょう。
どんな立派なマンションでも上にお子さんが住んでいるかぎり、逃れられない事象に思います。

ご夫婦は防音シートを敷くなどして対策されたそうですが、クレームはやまず、しまいには夜中の2時、3時にチャイムをピンポン連打されて、
「音がうるさいので静かにしてください」
と言われたそうです。
このときご夫婦もお子さんも就寝中で、うちではありませんと説明しても納得していただけなかったそうです。

「それは、強烈ですね」

私自身が音にかなり弱弱で、上にお子さんがいる部屋は恐怖でしかないのですが、さすがにこれは売り主さん一家が気の毒です。
下は年配のご夫婦とのことですが、真夜中のピンポンはやりすぎでしょう。

「でも、下の階は売りに出ていましたよね」
「はい。転居は決まっているのですが、それが10月なので、もしこちらに入居されるのでしたら下のかたの転居後をおすすめします」

なるほど……。

売り主さんが住み替えを決めたのは2人目のお子さんを授かって2LDKでは狭くなったからという理由でしたが、下のご夫婦のこともあったのでしょうか。
上と下、ほぼ同時に売りに出されたのは皮肉です。
いっそ下のかたが上の階に住み替えればよかったのに。

きっと下のかたは音に囚われすぎて、どんな小さな音にも気持ちが安まらなかったのでしょう。
私も覚えがあるので、そこは気の毒に思いました。
けど、それはそれとして、もしかしたらこのマンションは音が響きやすいのではという疑念も浮かびました。
というのはエントランスに「太鼓のような音が聞こえると苦情がありました」という貼り紙があったためです。

太鼓……?

あれも下のご夫婦でしょうか?
別件だとしたら、騒音のクレームが絶えずあるマンションということになります。
それは音に過敏な私には避けたいことでした。

さらに不動産屋さんからのお話で、
「売り主さんは今、奥さまのご実家に同居中で売り急いでいないので、値下げは難しいと思います」
ともうかがって、見送ることにしたのです。

ただ、やっぱりお部屋の感じや立地はとても好きで、近辺の物件の検索をするたびに、ちょくちょく様子を見ていました。