おまけのNおじさん
母の話のおまけです。
目白にある、やんごとなきかたたちが通う大学出身のNおじさん。
母の実家は、栃木の農家です。
地元の名家ということも一切なく、ごく普通の方言バリバリな田舎の農家の末っ子として育ったNおじさんが、なぜそのような大学に進学したのか?
ひそかに気になっていたことを、尋ねてみました。
すると、あっさり、
「学生運動がなかったから」
と返ってきました。
当時日本では学生によるデモやストライキ、校舎の占拠といった過激な社会運動が活発だったそうです。
そんな中、皇族のかたたちも通う目白の某大学は平和だったといいます。
「学生運動なんて絶対参加したくなかったし……学生運動がないのはそこだけだったし」
小さな声で、ぽそぽそ淡々と語るのでした。
うん、やっぱりNおじさんですね。
ものすごく“らしい”答えに、ふふっとしました。