おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

病弱だった母が、アラカン手前で元気になったこと。

こんにちは、日凪子です。

婦人科系の疾患があり、生理のたびにゲェゲェ吐いて寝込んでいた母でした。
普段から体調を崩しやすく、泊まりがけの旅行も遠出をするのも、出先で具合が悪くなるのが不安でたまらないようで、ずっと避けていました。

多分、父と新婚旅行へも行っていないと思います。

旅が大好きな父の妻も娘も、旅ができなかったり、旅嫌いだったりで、そこは本当に気の毒です。
数年に1度、社内旅行で海外へ行くときも、父は単身で参加していました。
もっとも、おひとり様でもじゅうぶん楽しんでいたようで、退職後もひとりでうきうきと世界一周や語学留学をしていましたが。

ところが、ある年の瀬に両親が泊まりにきたとき、母がそれはそれは嬉しそうに私に言ったのです。

「お母さん、ハワイに行っちゃった」

なんと、父と1週間のハワイ旅行を満喫したというのです。
ハワイのお土産をたくさん並べて、あそこへ行った、ここへ行った、あれをした、これをした、あれが美味しかった、素敵だったと、楽しそうに話してくれます。
さらに、

「今度はインドへ行くの」

驚きでした。
ずっと病弱で旅を避けてきた母が、海外旅行を楽しんでいるだなんて。




実は、この前の年、母は手術をしたのです。
年々肥大していった子宮を、生理があがるタイミングで全摘したのでした。
それが功を奏したようで、毎月寝込むこともなくなり、手術前よりとても元気になったそうです。

海外へ行くなんて一生なさそうだった母が、ハワイへ行き、今度はインドへ行くだなんて、人の一生はなにが起こるかわからないものだな、と感じ入ったのでした。
もしかしたら旅嫌いの私も、10年後には知らない場所を旅しているかもしれません。
それはそれで、面白そうです。

後年、私は母よりだいぶ若い年齢で、母と同じ手術をすることになります。
母は元気になりましたが、私は術後に更年期障害がいっきに押し寄せ、体調をがたがたに崩して仕事から離れるのです……それもまた思いもよらないことでした。