おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

マンション購入のための予算

日凪子です。

現在リフォームしたての築27年のマンションで快適に暮らしています。
こちらのおうちさんには新築のときに入居しました。
当時私は20代半ばで、偶然ですがこのときもまた無職ど真ん中でした。
大学を卒業したあと会社のマンションで1年暮らし、そこを辞めて入学した専門学校の寮で次の1年を過ごし、卒業した翌年から大学時代に暮らした駅のひとつ隣の駅にある小さなアパートに友人と住みはじめました。

友人は働いていましたが私は無職で、一間しかない日の当たらない部屋で暮らす頼りない娘を心配したのでしょう。
地方にいる父が

「家賃分くらいは援助するので、マンションを買いなさい」

と言ってきたのでした。
そのとき父が提示した予算は3000万円です。
当時はマンションを購入するということにも自分が住む部屋にも、駅近であること以外に思い入れがなかった私は、近所の書店で立ち読みした物件情報で目にした隣駅のマンションに決めたのでした。

(隣駅だし、駅徒歩2分だし、お父さんの予算より1000万も安いしここでいいや)

と、それはもうあっさりで、ひとかけらも悩みませんでした。

私が選んだ部屋に、父は難色を示しました。
「30㎡しかないじゃないか。こっちの3LDKのほうが家族ができても住めるだろう」
埼京線某駅徒歩10分の3LDKを勧めてきます。

けれど私に結婚の予定も相手もまったなく、1人で3LDKに住むなんて嫌でした。駅徒歩10分も問題外で、それなら都内、駅近2分の1DKのほうが絶対いい、と主張しました。
父も渋々、
「じゃあせめてこっちの40㎡3kの部屋にしなさい」
と同じマンションの別の部屋を提案してきて、最終的にそこを購入したのでした。

つい最近まで、私は今のおうちさんの価格を知りませんでした。
私が最初に選んだ部屋が2000万くらいだったので、それよりは高くて3000万はしないくらい、という認識でした。
なので住み替えを考えたとき、このくらいあれば大学のときに住んでいた大好きなあの駅で気に入った物件が買えるだろうと想定した金額を、ちまちま貯めて長いあいだキープしていました。

今のおうちさんは父が買ってくれた父名義の部屋だけど、次のおうちさんは私が自分で買おう。これだけあれば引越し費用、税金、家具家電、全部込みでなんとかなるよね。
そんなふうに思って安心していたのでした。

27年間、私がその駅の物件価格を調べることはまったくありませんでした。

予算は5000万。

それでなんとかなる。
今の部屋が3000万しないくらいだし、2つ先なら5000万でじゅうぶん。
その認識が大きな間違いだったことを、27年後思い知らされることになるのでした。