おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

音や声が苦手になったのは

こんにちは、日凪子です。

お子さんの声が大変苦手な私ですが、鳥の声も、犬さん猫さんの声も、よそのお宅のテレビの音も、ふいの生活音も全部苦手です。
あんまり声や音が苦手すぎて、生きるのがしんどいことさえあります。
他人の声も音も聞こえない場所に行きたいと、繰り返し考えておりました。
もし私が大富豪だったら、自宅マンションの上下左右の部屋を購入し空き部屋にしておきたいと夢想するほどです。

なぜこんなによそさまの声や音に対してよわよわになってしまったのか。

大学で一人暮らしをはじめるまで、ずっと実家の戸建てで暮らしていました。
住宅地でしたので、窓を開けておけば普通に様々な声や音が入ってきます。
当時はお子さんも多く、4、5軒先のお姉さんが弾くピアノの音もよく聞こえてきて、家族で、
「綺麗な音だねぇ、本当に上手だねぇ」
と語りあっていました。

大学時代に最初に住んだのは、1階にご年配の未亡人大家さんが暮らす戸建て風アパートの2階です。
私の部屋とお隣の部屋の2部屋しかなかったせいか、うるさいと感じたことはありませんでした。
次に住んだのが、私が大好きな場所になった駅徒歩1分の古いマンションです。今思い返すと最上階の角部屋だったのですね。最初のアパートよりさらに静かでした。

就職して入居した会社のマンションも新しくて静かでした。
ここでも音や声を気にしたことはありません。

悪夢の始まりは会社を一年で辞めたあとに住んだ、某専門学校の寮です。
狭い一間に二段ベッドが置いてあって、そこで初めて会った他人と共同生活することになりました。
同室の子は年齢も近く良い子でしたが、周囲の部屋に住んでいるのは高校を卒業したばかりの遊びたいさかりの女の子や男の子たちで、壁も薄く、ちょっと大きな声を出せば会話は筒抜け、朝も夜も大音量の音楽がどこからともなく響き渡ります。
屋上でも日々大騒ぎで、近隣の方々から警察に通報され問題になったりする有様でした。
もう、最悪です。
隣の部屋に「音楽のボリュームを下げてください」とお願いにいったら、部屋にいた男の子たちに、
「うるせぇババァだな」
と言われたことを、今でも根に持っています。

寮にいたのは一年ですが、ずっと音や声が噛みついてくるように感じていました。

次に住んだ日の当たらないアパートも、よろしくありませんでした。
寮で同室だった子とルームシェアで暮らしはじめたのですが、1階で、窓の前には戸建ての掃き出し窓が広がっています。
ここも壁が薄く、隣からはエロビデオの音声がガンガン流れてきて、窓全開の前の家からはテレビが大音量で聞こえてきます。

動物園のようだった専門学校の寮と、そのあとの日の当たらないアパート、この2部屋で私の音恐怖症は決定的になりました。
そこにいたのは今のマンションができるまでの1年足らずでしたが、あまりにも音や声が苦手になりすぎて、マンションに引越してからも、ほんのささいな物音や声にもドキドキして耳をふさぐようになってしまったのです。

分譲マンションですから、隣や下の音はほぼ聞こえません。
上の音も、たまにガタゴトする程度です。
でも、このたまのガタゴトさえダメです。さらに同じフロアに小さなお子さんたちがいて、この子たちが朝、共用廊下やエレベーターの前でキャッキャッと声を張り上げるのに胃がギュッとし耳がチクチクしました。

実家で暮らしていたときや大学時代はまったく気にならなかった声や音が、こんなにもダメになってしまったことは絶望でしかありません。

どうにか音に強くなりたい。

お子さんの声も犬さん猫さんの声も平気になりたい。

そうすれば、どんな部屋でも心地よくいられて、新しいお部屋さんの選択も無限に広がるのに。

そんなふうに願い続けているのですが、私は今でも声や音に激弱なままで、お部屋探しの第一条件は静けさなのでした。