おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

私はおうちさんが嫌いでした4

おうちさんが嫌いでした、多分ラストです。

hinakonoouti.hatenablog.com

私が長い間おうちさんを苦手に感じていたのは、私の使いかたにも問題があったのだと思います。
まず部屋割りです。
今のおうちさんは3つお部屋があります。
東側にリビングキッチンがひとつ。
その隣に東と北に窓があるお部屋がひとつ。
玄関ポーチに続く廊下沿いに、西と北に窓があるお部屋がひとつ。

入居からずっと、リビングの隣の部屋にワーキングデスクやワーキングチェア、本棚を配置して仕事部屋に、西側の部屋にベッドを置いて寝室にしておりました。

まずこの寝室が問題でした。
両親がお正月とお盆に、父が出張のたびに泊まりにくるので、客用の布団を常備していたのですが、クローゼットに入らなかったのです。
収納がやたら多いマンションだったので、入れ方を工夫すれば入ったように思うのですが、そのまま床に重ねておいたら父が、
「押入れサイズの箪笥を買おう」
と言い出し、家具屋に連れてゆかれたのです。
「うん、これにしよう」
と父が選んだ箪笥は布団を2組入れてもあまるほど容量たっぷりでした。

こちら↑がその箪笥です。
リフォーム後に廃棄する際、分解した状態のものです。
この巨大な箪笥がベッドの横にででん! と置かれ、さらにその隣に別の洋服箪笥(5段)も並び、寝室はぎちぎちです。
まるで物置で寝起きしているような狭苦しさです。

さらに趣味の食器集めが高じて家中食器だらけになり、それを置くための棚やテーブルがリビングや仕事部屋にがんがん増えてゆきます。
床面積が狭くなる一方です。

また東側から午前中に射し込む光が強すぎて、机が東を向いていたため仕事をするのにとにかく邪魔で、ああああっ、もう、窓大きすぎ! 窓いらない! とポリウレタンのボードを大量に通販して、家中の窓を塞ぐように立てかけたのです。

やたら窓の多い部屋に暮らしていたというのに、私が窓を開けることはほぼありませんでした。
窓掃除を全然していなかったので、吹き込む風でカーテンが埃だらけの網戸にはりついて汚れるのを避けたかったからです。
エアコンがあるし、窓なんてなくてもいい。
陽射しは眩しくて仕事の邪魔だからカーテンも閉めっぱなしで朝も昼も灯りをつければいい。
本気でそう思っていました。

窓が多くて風通し抜群、日当たり良好。
湿気が少なくカビ知らず。
そんなおうちさんの美点を殺していたのは、私でした。

リフォームをして、断捨離をして部屋割を変えて、西の部屋を空き部屋にして東の仕事部屋にベッドを移動させ、朝一番にカーテンと窓を全開にするようになってから、私のおうちさんは驚くほど快適になりました。
部屋一面のオレンジも今は大好きで、なんて生き生きした元気の出る明るい色合いだろう、グレイの木枠とのバランスも素敵すぎでしょうと見惚れています。

あと30年もここに住まなければいけないんだと憂鬱な気持ちでいたのが嘘のように、別れの日が来るのを淋しく不安に感じています。
ここ以上に好きになれるおうちさんがあるんだろうか、ずっとこのおうちさんでいいのに。
そんなふうに思ってしまうのでした。