おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

懐かしのドラマ〜「ジュニア・愛の関係」

こんにちは、日凪子です。

大学生だった私が、どっぷり沼に落ちたドラマ「ジュニア・愛の関係」。
たぶんご存知のかたは、ものっっっっすごく少ないのではないかと思います。
視聴率がちょっと残念で、映像ソフトも販売もされておりません。

けれど私は好きで好きで大っっっ好きで、テレビに齧りつく勢いで視聴していました。
政界を舞台に、大物政治家のジュニアとして生まれた「太陽の男」稲城平馬と「氷の男」田丸竜一の愛と闘いを描いた物語です。
平馬を演じたのは、若かりし頃の高嶋政伸さん。
竜一を演じたのは、加藤雅也さんです。

この! 加藤雅也さんの竜一がっ! めちゃくちゃカッコよかったのですっっっっ!

ひんやりした表情で、お馬さんに乗ってパカパカ駆けてくる登場シーンからもう心臓を鷲掴みです。
ノーブルな顔立ちに冷たい眼差し、ヒロインに向けられる冷え冷えとした言葉が、少女漫画のようです。

うわぁぁぁぁっ! もう! なんてカッコいいの!

彫りの深い顔立ちが素敵です!
しなやかな長身が素敵です!
翳りを帯びた瞳にも、綺麗な唇にも、ときめきが止まりません。

さらに、この究極にカッコいい氷の貴公子様が、ヒロインに冷たい言葉を投げつつ、実は初っ端からこの子に惹かれていて、「なぜだ、なぜこんなに気になるんだ……っ」と苦しげにモノローグしてしまうのです。
そのヒロインが、同じジュニアでありながら自分と正反対の「太陽の男」の恋人で、しかもっ、しかもです、実は腹違いの妹だというから切なさ倍増です。

竜一が、「妹なのに……っ」と葛藤するたび、テレビのこちらにいる私はキュン死しそうでした。

ヒロインを演じたのは松雪泰子さんです。
清楚で芯が強い「ひまわり」ちゃんは、当時の松雪さんにぴったりでした。ほっそりしていて清純そうで、大人しそうでいて、相手をまっすぐ見て自分の意見を告げることができる、ヒロインにふさわしい女の子です。
将来を誓った恋人がいるのに、ひまわりちゃんが竜一に惹かれてゆく姿にさらにキュンキュンです。

色々あって、ひまわりちゃんを失った平馬は、それまでの「太陽の男」から一変して政界でのしあがるために汚いことも平気でする男になっていきます。
それと対照的に「氷の男」だった竜一はひまわりちゃんの存在により、正しい政治家への道を目指しはじめ、それが原因で破滅してゆくのです。
このへんの対比にも、ゾクゾクしました。

シナリオは「都会の森」などを手がけて江戸川乱歩賞も受賞した長坂秀佳さん。
演出は様々な名作を手掛けてきた名手。藤田明二さん。
毎週ヒキの連続で、次の週が待ち遠しくてたまりませんでした。

主役は高嶋政伸さんの平馬なのですが、回が進むごとに竜一のほうが目立ってきて。ノリノリで悪に堕ちてゆく平馬と、善を目指してもがき苦しむ竜一だと、どう見ても主役は竜一です。
竜一と絡むヒロインも、妹のひまわりちゃんから、田中美奈子さん演じる佐伯馮子さん、さらに竜一の妻になる秋本奈緒美さん演じる冬木理加さんへと変わってゆきます。

政治ジャーナリストの馮子さんは、自殺した父の仇の息子である竜一を恨んでいて復讐しようとするのですが、いつかお互いに惹かれあってしまうという、これまた少女漫画の王道展開です。

理加さんは政治家の秘書として汚れながら生きてきた哀しい人で、そんな女性が竜一に救われてゆくのも、やっぱりときめいて。

さらに、自分の男を総理にするという夢を持ち続けていた料亭の女将、池上季美子さん演じる藤ノ瀬季衣さんと竜一の関係にも痺れました。

最終回は、やっぱりこのドラマの主役は加藤雅也さんの田丸竜一だったんだな、と確信できる終わりかたです。
「愛の関係」というタイトルは、「氷の男」だった竜一が愛によって目覚め、愛によって変わってゆき、愛によって破滅して、それでも愛によって、なにかを残していった。そんな彼と、彼を愛し愛された女性たちの物語だったのではないでしょうか。

主題歌「いつかきっと微笑みへ」の切ないメロディの中で紡がれる歌詞は、まさにひまわりちゃんが、馮子さんが、理加さんが、季衣さんが、今はいない竜一を想いながら前へ進んでゆく姿を歌ったものだと思うのです。
この歌も名曲なので、ぜひ検索して聴いてみてください。この歌だけでもキューンとしてしまいますよ。