おうちさんとわたし。

無職おひとりさま50代女性の家づくりと日常

「VIVANT」〜林遣都くんが凄まじかったこと。

こんにちは、日凪子です。

ドラマ「VIVANT」9話目を視聴しました。
林遣都くん、すごかったですね!
いえ、もうすごいを通り越して、凄まじかったです。
「VIVANT」の出演者は主役級の濃い役者さんばかりで、演技力でも魅せてくれるかたぞろいです。
そんな中でも、昨日の遣都くんはひときわ強烈な存在感を放っていました。

とにかく表情が! 凄まじい!

家族や仲間に囲まれているときの幸せにあふれた表情。ギリギリ追いつめられた表情。絶望、苦悩、悲しみの表情、憎しみの表情、すべての表情が、圧倒的な説得力と存在感で、目に、胸に、食い込んできます。
すべてを失った喪失の表情も、圧巻でした。
そこから小さな救いを得て、空っぽだった表情が悲しみと安堵にゆるんでゆくのに、こちらも号泣です。
戦いのエキスパートとして覚醒し、見事な銃さばきで仲間を守るときの精悍な表情は、静かだった目にいきなり強い光が宿ったようでハッとしました。

この怒涛のような展開の中、遣都くんはほとんど日本語を話していません。
台詞自体、わずかです。
ただ動きと表情だけで、ぐいぐい心情を語ってくるのに、またたきを忘れて見入っていました。

この表情の鮮烈さと、体全体を使ったパフォーマンスが、林遣都という役者の強みだと思います。

遣都くんのデビュー作「バッテリー」の原作は、私が大好きな児童書です。特に主人公の原田巧くんに、めろめろでした。孤高の天才。まだ幼くて不器用で、葛藤しながら必死に自分の場所を作ろうとしている。そんなヒリヒリした姿にヤラレて、シリーズ全巻を繰り返し読みました。

巧くんを演じた遣都くんは、台詞回しはまだ拙かったですが、凜とした表情や、眼差しの強さ、すっきりした立ち姿や綺麗なフォームは、原作ファンの私にも「ああ……巧くんがいる」と思わせてくれるものでした。巧くんの未完成さと新人俳優としての遣都くんの未完成さも、いい具合に重なっていたと思います。

以来、遣都くんをドラマや映画で見かけるたび、あ、巧くんを演った子だ、と成長を見守るようなほんわりした気持ちでいたのです。

けれどもう、彼はとっくに巧くんを超えて、こんな素晴らしい演技を見せる役者さんに成長していたのですね。
そのことにも感動した90分でした。

次回は最終回。
どうか未完で続く、だけはやめてほしいです。
波乱に満ちた壮大な物語が、綺麗に閉じてゆくのを見せて欲しいです。